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これからの時代に必要なSELとは?San FranciscoのNueva School訪問レポート

アメリカの先進的な教育、新たなトレンドを知りたい!と言う思いで、アメリカの教育機関を視察してきました。訪問レポート第一弾は、サンフランシスコにあるthe Nueva School(ヌエバスクール)です!

これからの日本や、子どもたちにとって必要な教育とは何なのか?改めて考えながら見学をさせていただきました。大学受験合格は目的でなく、その後の一人ひとりの人生やキャリア、幸せを追求したい私たちtyottoの思いと合致することもたくさんあり、これからの日本の教育の可能性を感じました!これからの未来を創っていくために、教育業界だけではなく学校の先生方、社会人、お父さんお母さんとも一緒に考えていきたいと思いました。

the Nueva Schoolとは?

サンフランシスコにあるthe Nueva Schoolの高等部を訪問してきました。

閑静な住宅街に突然現れたキャンパス!おしゃれすぎます!門や塀もなく地域にオープンな校舎は日本の高校とは少し違いますね。

the Nueva Schoolの強みは、SEL(Social Emotional Learning)という社会性・情動スキルを高める教育です。日本SEL推進協会によると、SELの教育アプローチでは「自己認知能力」「自己マネジメント能力」「他者理解能力」「関係性維持構築スキル」「責任ある意思決定能力」という5つの能力を養うことを目的だと定義しています。

the Nueva Schoolでは、他者や自分自身の気づきを通して、自分のより良いあり方やよりより人間関係・他者との協働・社会的知性の追求を図ることに挑戦しています。

今回訪問した高等部はScience of Mindというプログラムを行なっており、社会科学や脳科学の研究結果を用いて、より社会性や情動スキルを高めるために教員の方々が授業をデザインしています。こころの知能指数を示すEQ(Emotional Intelligence)に関する本を多く執筆している心理学者のダニエル・ゴールマンも関わっているとか。すごいですね!

”Learn by doing, learn by caring”(実践することで学ぶ、自分や他者を気にかけることで学ぶ)をモットーにしているthe Nueva School。SELの教員でもあり、学校カウンセラーでもあるSean先生に校内を案内していただきました!

徹底的に生徒に考えさせる教育

授業の様子を少し見させていただきました。1クラス12-15名ほどの生徒で構成されています。先生が前に立って教えるのは10-15分ほど。そのあとは、グループワークやディスカッションなどのワークが中心です。答えを覚えるのではなく、自ら問いを立てながら主体的に学んでいます。

面白い事例がありました。月1回、学校内外の人に様々な分野に関するスピーチを行なってもらい、そのテーマに沿って生徒がディスカッションする授業があります。環境問題や政治、歴史やアートなどテーマは様々ですが、そのテーマや内容に対して、賛成/反対の意見を述べていきます。単にディベートやディスカッションをするのではなく、「自分と違う意見を持つ人はなぜその意見を持つか」を考えさせることを大事にしているそうです。

例えば、民主党支持者が多いベイエリアですが、あえて共和党の人にスピーチをしてもらい、自分はその人の意見に賛成/反対なのか、それはなぜなのか、自分と異なる意見を持つ人はなぜそうなのか、何がそうさせているのか、を考えさせているそうです。

これはこの授業だけでなく、各教科全ての授業においてワークを通し、自分や他者を知り、自分と社会のつながりを認知することで社会性や情動スキルを高めているそうです。

これこそSocial Emotional Learningを導入しているthe Nueva Schoolの強みですね。

大学受験は目的ではない

このような教育を目の当たりにすると、「で、受験はどうなってるの?」「日本だと無理だよね」という気持ちが湧いてきます。「アメリカだからできるんじゃないの?」とか、ちょっと斜めに見てしまったりして。

アメリカでも日本のセンター試験のようなSAT(大学進学適性試験)があり、みんなめちゃくちゃ勉強します。GPA(日本でいうと内申点みたいなもの)がものすごく大事なので、学校の宿題、授業への参加、テストにも積極的に取り組んでいます。ちなみに、Nuevaでもそうですが、アメリカの高校では宿題がめちゃくちゃ多いです。

「日本では大学受験がすごく大事なんですけど、Nuevaではどう対応していますか?」と聞いてみました。

the Nueva Schoolでは、規模やランクで大学を決めるのではなく、大学で過ごす4年間、自分がハッピーにいることができるか、どんなことを学びたくて、どうありたいのかを考え、進路を選ぶのだそうです。なので高校1-2年生には進路の話は極力せず、自己理解・他者理解を深め、興味関心を探求するように働きかけているそう。

偏差値で大学を選ぶのではなく、何を学び、自分がどうありたいか、が大事。個人がよりよくある(Well-being)ためのプランは人それぞれ違って当たり前で、大学受験はそれを実現するための手段として生徒と人生を一緒に考えている、とSean先生は語ってくれました。

the Nueva Schoolでは、結果として超名門のStanfordやUC Berklyに毎年10人以上進学しているそう。ひと学年100名程度の学校で、これはものすごい進学率です。

目的を持ち、学びたい、と思うと生徒は主体的に学習する。結果として大学進学し、なりたい自分を実現するために道を進んでいくのです。教育の本質ですね。「うちの生徒は本当にlove studyingなんだよ」とSean先生は教えてくれました。

なぜこれが実現できるのか?

生徒は本当に真っ直ぐに、お互いを尊重し合いながら自由に学んでいます。自由だからこそ、自ら考え、自律するのだと感じました。

「どうしてこのような環境を作ることができるのだろう」という疑問が湧いてきます。学校を見学しながら、その答えがわかってきました。

先生だけでなく、スタッフも生徒も、たまたま通りかかって話しかけた保護者の方もみんながthe Nueva Schoolはどんな学校で、vision/mission/valueは何かを語ることができるのです。

一人ひとりがNuevaを体現するメンバーであること、その意識が共通化し、学び続け、アップデートし続ける組織を創っていることこそ、理想的な教育を実現するために必要なことなのだと思いました。

先生方も、大学院で学んだり、教員をしながら自分の知見を広げるために大学のコースを受講したり、自主的に研鑽を続けておられます。目指す教育を実現するためのプロフェッショナルという意識が伝わってきますね。

学び続ける、探求し続ける人材を育てる

今回、the Nueva Schoolを訪問して感じたことです。

・自己管理・自己理解ができ、他者を受け入れ共存することが自分らしくあるための大事な要素

・生徒を信じ、自由な風土を創ることが生徒の自律につながる

・学校に関わる全ての人と一緒に創っていく姿勢の大切さ

すぐに真似できないこともありますが、共感できることもたくさんあり、今後の自信と期待につながる訪問でした。the Nueva Schoolの皆さん、ありがとうございました。

新井 光樹
新井 光樹
“当たり前を当たり前以上に” 14歳で転売ビジネスを行い1ヶ月で10万円の利益を得る。21歳のときtyotto Inc.を創業。教育で世界をちょっと良くします。