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日々の課題からチームとしての目標を見つけ出す

あけましておめでとうございます。

大学入試が変わる2020年が徐々に近づいてきました。センター試験に代わる新入試「大学入学共通テスト」が実施されるのが2021年の1月ですので、ちょうどあと2年となりました。

新しい入試をまず受けるのは今高校1年生の世代です。学習塾や学校にとって2年という時間はそれほど長くありません。受験生を指導して送り出したらあっという間に1年経過してしまうので、2年間では受験生を2学年分しか送り出せないことになります。

指導方針や指導スケジュールも1年単位で動いていくので、年度の途中で変更することはなかなかありません。そうなると、しっかりと方針を練ってスタートする機会はあと2回しかないということになります。

年末には振り返りを重点的に行なっているかと思いますが、年始はその振り返り内容を踏まえた目標設定が大切ですね。

日々とにかく忙しい。時間がない。

2年前に神奈川県川崎市で学習塾をオープンしてから毎日とても忙しい日々を送ってきました。社員全員でやっていたことをまとめると、

  • ウェブサイトの更新・SNSアカウントの運用
  • チラシの作成・校門前配布・ポスティング
  • 学習カリキュラム作成
  • 振り返り用のシート類の作成
  • 入塾希望者面談
  • 講師採用のための求人媒体運用・講師面接
  • 講師研修
  • 個別指導担当講師の調整
  • キャリア教育の授業設計

など多岐に及びます。やることは常にたくさんあり、日々朝から晩まで作業をしても終わらない、という状況が続いていました。

これらの作業は、どれも学習塾を運営するのであれば基本的にやっていることだと思います。塾をオープンしたての頃はやることだらけで忙しく働いていることに充実感を感じていて文字通り朝から晩まで作業に没頭していました。

しかし、半年ほど経った頃からでしょうか、そもそも自分たちが教育に携わる上で、学習塾を独自ブランドで始めようと考えた理由を考える機会が増えてきました。

「忙しいけど、どれも必要なことだからやめられない」

いつしか、この言葉を言い訳にしていたら、自分たちがやりたいと思ったことがいつまでもできないのではないか?と考え出すようになりました。

本当に自分たちは忙しかったのか?

どれも必要なことだと考えて取り組んでいましたが、今思うとそれらは本当に“必要”ではありませんでした。そもそも、必要かそうでないかを判断するためには明確な基準が必要です。

例えば、生徒の集客や入塾希望者面談にどれだけ時間を取るべきかは比較的考えやすく、「借りている物件で指導できる人数までは受け入れる」という基準を設けて進めれば必要十分で行うことができます。

WebやSNSを使って数千人にアプローチして、ファンを作っていく必要があるかというと必ずしもそうではありません。自分たちのやりたいことを伝えていくことは大切ですが、教室を持つ以上地域性が出てきてしまうので、まず教室に通えるエリアの生徒たちを対象にして自分たちの提供できる教育をしっかりと伝えて、選んでもらえるようにする必要があります。

ビラ配りやポスティングではなかなか自分たちの教育を求めている生徒に、(ちゃんと伝わるという意味で)到達することが難しいと考えたので早い段階でやめました。

その代わり、自由なタイミングと体裁で自分たちの提供できる教育を発信できるWebとSNSに注力していきました。

講師の募集や研修も同様で、生徒数に対して指導に必要な人数以上の講師を採用する必要はありません。せっかく自分たちの学習塾を選んでくれた講師の方に指導に入ってもらえないのであれば意味がないですし、あまり指導に入ることができないと学習塾としてのノウハウも講師さんに十分に共有することができません。

このような考え方で全てを少しずつ見直した結果、「忙しくて他に何もできない」という状況が無くなっていきました。

「できない理由探し」をやめた

こうして「やっても損はないこと」を見直して「本当に必要なこと」のみに絞り込む作業を進めてきました。

そしてその「本当に必要なこと」を実現しようとする上で、幾度となく困難に直面してきました。

  • 自分たちの提供する教育をブログやSNSでそれらを求めている生徒たちに適切にアピールできているかを測るにはどうしたら良いのか?
  • 生徒たちの学習の効率を最大化するために、個別指導という短い時間の中で何をすべきか?
  • 自分たちの提供したい教育に力を貸してくれる講師を採用するためにはどのような募集文を書いて、どのような面接を行えば良いのか?
  • 学習塾運営の中で学力を高める指導以外のキャリア教育の時間を捻出するにはどうしたら良いのか?

どの困難に対しても「無理だ」と言うことは簡単です。むしろ事業として進み出した後には簡単にできそうな課題は基本的に残っていませんでした。

そうなってきたときにメンバーに求められたのは、「できない理由探しをするのではなく、どうしたらできるかを考える」というマインドでした。

アイデアに対して「無理だ」と言うのは簡単ですが、本当に無理だと証明することは極めて難しく、逆に考えればどれも可能性を秘めているということです。

それを思考が固まった「無理だ」の一言で潰してしまうのではなく、できるベースで考えてどうしたら実現できるかを探っていくことが日常になっていきました。

つい陥りがちな、「その案は〜〜だから無理だ」「〜〜だからできないよね」という考え方を私たちは「できない理由探し」と呼んでいます。

法人化して1年、塾を立ち上げて半年で私たちは「できない理由探し」をやめることができました。

やらないことを決めて、できない理由探しをやめた後に何をするか

やらないことを決めることで時間を捻出することができました。そしてできない理由探しをしなくなったことで、アイデア一つひとつを丁寧に吟味して試行していくようになりました。

そうなったときに、日々の時間の使い方は思考することがメインになっていきました。課題に対してそれをどうやって乗り越えるかを考えることが一日の大部分を占めます。

対症療法的に目先の課題を解決することでしのぐこともできますが、基本的にはもっと根本治療的な考え方で課題の本質の解決を目指していきます。

課題に対してのアプローチ方法としては、それがなぜ課題であるのかを改めて考え、それを解決できたと考える基準を決めて、解決する方法を考えて、実行するという形を取っています。

課題を解決できたと考える基準の設定が一番難しく、その基準を超える方法を考えるのがその次に難しいです。

このあたりはどうしてもアイデア勝負となってきてしまう側面があるので、メンバーで集まってブレインストーミングをするなどして質より量でアイデアを出していき、それを組み合わせたり発展させたりして糸口を探っていきます。

目標設定は到達基準の設定であることが重要だと気づいた

課題に対して前述のようなアプローチをとり続けているうちに、課題に対してそれが解決できたと考える基準こそが目標そのものだと気づきました。

自分たちが提供したいと考える教育を、半分形式知化され、もう半分は手探りの状況で進めていく中で発生した課題は、暗黙知として残されている自分たちが見たいビジョンの一部になっている可能性が高いです。

その課題に対して解決したと考える基準は、自分たちが提供したいと考える教育の一要素であり、目指すべき小目標としての役割を果たします。

日々の課題にしっかりと向き合うことで、事業全体の目指すべき方向が自動的に明文化されていくのです。

あらゆることに明確な達成基準を設定することが大切

これらの経験から学んだことは、組織における会議や学習塾における指導などあらゆるものには明確な達成基準を設定することが大切だということです。

  • どういう状況に至ったら会議の目的達成なのか?
  • どういう状況に至ったら指導の目的達成なのか?

こういった判断基準を常に考えていくことで初めて、理想に向かって進むことができていると言えるでしょう。

明確な達成基準を言葉にするのはとても難しいことであり、そうそう一回でできるものではありません。しかし、まずはたたき台を作ってやってみることが大切です。まず作ってみた達成基準に対して、実際に試してみることで漏れを発見できたり、取り組みの質の向上が促進されたりします。

明確な達成基準を設けることの重要性をメンバーに知ってもらうこともできます。まずは小さな一歩を踏み出して流れを作っていくことが大切です。

せっかくなので、2019年の目標を明確な達成基準と共に考えましょう!

1年の始まりである1月1日、やはり今年の目標を考える方が多いかと思います。

私たちのような学習塾の運営者であれば、

  • 生徒たちを志望校に合格させる
  • 生徒数を前年より増やす
  • 生徒たちの成績を上げる
  • 活気溢れる教室にする
  • 新しい教具・教材を試してみる

といった目標を立てたりするかもしれません。

これをちょっと具体的にして、

  • 生徒たちの第一志望合格率を70%以上にする
  • 生徒数を月ごとに見て前年度の10%増しにする
  • 生徒たちの成績を模試の点数ベースで前年度の1ヶ月前倒しのスピードで伸ばす
  • 同じ学校以外の生徒同士でも教えあったり、支えあったりする行動がよく見られる教室の雰囲気を作る
  • 映像授業コンテンツサービスについて1つ以上資料請求して、自分たちの学習塾にあっているものがないか検討する

としてみるだけでも大きくモチベーションが上がったり、必要十分の行動で達成することができたりするかもしれません。

生徒たちのお手本となれるようなキレのある目標設定を

生徒たちから日々一挙手一投足を見られる私たちだからこそ、目標設定という面でもお手本となりたいですね。

持っている時間は生徒と私たちで変わらず1日24時間です。それをどうしたらフル活用できるのかを行動で示してあげられるような教育者でありたいと思います。

元日からお読みいただきありがとうございました。

受験生の指導に携わっている教育者の方々はこれからが山場ですが、最後まで生徒たちを支えてあげられるよう頑張って行きましょう!

今年も学習塾Withdom、自立学習支援アプリtyotto me、キャリア教育コンテンツProgressTime、ならびに株式会社tyottoをよろしくお願いいたします!

伊藤 哲志
伊藤 哲志
tyotto Inc. リードエンジニア / 1994 / 幼い頃からロボティクス・コンピューターサイエンスに触れたことでテクノロジーに深く興味を持つようになりました。AO入試で東京工業大学の情報工学科に入学してからは、学業と並行してIT企業でのインターンや教育工学研究室での研究を行い、教育×ITをテーマに活動を続けてきました。考えを文章で発信したり、組織づくりを行ったりすることも好きで、日常的に社内・社外に発信しています。