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tyotto流・年末の学習塾運営リフレクション【塾長編】

昨日に引き続き、年末のリフレクション項目のご紹介です。昨日はtyotto流の教室長の年末リフレクションの内容をご紹介しました。

tyotto流・年末の学習塾運営リフレクション【教室長編】

今回はそんな教室長をまとめる塾長目線でのリフレクション項目をご紹介します。

現場の状況の把握

学習塾に関わる基本的な数字は把握できているか?

学習塾運営を行う上で気にしたい数字はたくさんあります。基本的な部分だと、以下のような数字が挙げられます。

  • 志望校合格率
  • 成績の推移
  • 生徒の平均受講科目数
  • 入塾生徒数
  • 面談での入塾率
  • 退塾生徒数
  • 退塾率

自社で運営する学習塾でも基本的に大学受験を目指す生徒が大多数なので、この志望校合格率が自分たちのやりたい教育がどれくらいできているかの指標になってきます。

注意したいのは、「偏差値の高低」は志望校合格率には関係がないということです。本人が行きたい大学に行けることを目指すというシンプルな指標です。

そして、志望校合格率を上げていくために成績の推移や、受講数などの数字を見ていきます。

受講数が多いのに志望校に行けていないといった数値ベースの課題が見えてくれば、指導のスタイルが悪いのか、教材が悪いのか等の具体的な改善に向けた視点を持つことができます。

入塾生徒数と入塾率では、塾(の提供する教育)が求められているかと、それをしっかりと説明できているかを見ることができます。

最終的にどの塾に通うかを選ぶのは生徒・保護者なので、自分たちの教育の目的や強みをしっかりと伝えて判断してもらう必要があります。

退塾率は、AO入試や推薦での早めの合格による退塾はさておき、不満がどれくらい発生しているかを見る指標として使います。

不満の原因はシンプルで、「期待と違う」と感じさせてしまうということだけです。入塾面談や資料等に虚偽があるのは論外なので、もし「期待と違う」と認識されてしまうとしたらそれは早急に改善すべきポイントです。

どんなに方針として良いことを謳っていても、それが実現できていなければ宣伝文句でしかありません。

退塾やクレームを「生徒がうちに合わなかった」と他責的に捉えて片付けるのは簡単ですが、それでは何の解決にもなりません。どこで生徒さんと塾のミスマッチが発生してしまったのかを真摯に見つめ直すことで、より目標とする教育に近づくことができると考えています。

現場の日常を把握できているか?

どの生徒がいつ頃来て、どこでどのように勉強していつ帰るのか。講師さんは生徒たちとどのような距離感でコミュニケーションを取っているのか。教室長と生徒・講師の信頼関係はどれくらいか。

こういった現場の温度感を肌感覚として把握できているかはとても重要です。現場の肌感覚をわかった気で何か新しい取り組みを始めようとすると、どこかずれてしまって受け入れられなかったり、100%活用できなかったりしてしまいます。

全生徒の顔と名前を覚えて親しく話せるようになる必要はありませんが、少なくとも数教室程度の規模の塾であれば、教室に来たときに誰かわかってもらえるくらいの距離感は作っていくべきだと思います。

現場のちょっとした要望をどれだけ把握できているか?

学習塾を俯瞰して見ていると、どうしても本質的な改善策や、規模が大きい改善策に目が行きがちです。

現場でちょっと講師・生徒と話してみると、彼らの指導や勉強を阻害しているのは指導方針や教材ではなく床が冷たいことだったりします。

現場のちょっとした要望としっかり向き合うことができていないと、どうしても現場から見て「自分たちに直接メリットのないことばかりする偉い人」という不名誉な認識を持たれてしまうことすらあります。

少しの工夫ですぐ対応できることもそつなくこなし、さらに俯瞰的に見ているからこそ行える取り組みで教育現場を変えていくのが塾長の役割だと思います。

教室長とのコミュニケーション

部下の人となりをどれくらい知ることができているか?

塾長の部下、というと教室長です。数ある学習塾の中から自分の塾を選んで、教室長という現場の責任者を務めてくれている人について、どれくらい知ることができているでしょうか。

何を得たくて教育業界に入ったのか、なぜ学習塾運営に興味があるのか、今後どのようにキャリアを歩んでいきたいのか、働き方やそれ以外のライフワークバランスに満足できているか。

こういった状況にしっかりと目を向けて、成長の機会を提供し続けなければなりません。

塾としてうまく行っているように見えても、教室長からはそう見えておらず悩みを抱えているかもしれません。

講師も生徒も教室長も皆一緒です。しっかりと目を向けて、対話する機会を取り続けることができているか、改めて振り返ります。

さらなる成長への投資

利益をどのように使うか?

教育価値の提供に対する対価として生徒からいただいた月謝を、ぴったり必要経費で使い切ることは極めて難しく、現実的ではありません。

そして、現時点で必要なお金のみを受け取る制度では、提供する教育価値をより高めたり、時代に合わせて変化させていくための取り組みを行うことができません。

月謝は単に目の前の指導に対しての対価という認識ではなく、目の前の指導や、それらのベースとなるカリキュラム、そして提供する講師やスタッフ、さらには教室環境を良くすること全部を含めた教育価値に対する対価という認識でいただくべきだと思っています。

つまり、生徒たちから受け取った月謝から必要経費を引いて余った分をどう使うかを決める責任があるということです。

教室を移転する、新しい教材を試す、講師の時給を上げる、社員の給与を上げる、使い道はなんだって良いのです。ただし、それが生徒・保護者と約束した塾が提供する教育を実現するためであると自信を持って答えることができるのであれば、です。

通塾する生徒たちが、各自が目指す成果をしっかりと出していて、さらに新たな生徒が自然と集まってくるような成功している学習塾の塾長の方々は皆、さらに高みを目指して積極的に投資を行なっています。

学習塾運営者向けのセミナーに参加したり、新しい教材の導入を試したり、他の学習塾に見学に行ったり。

弊社の自立学習支援アプリtyotto meを導入してくださっている方々ももれなく現状の塾運営では成果を挙げていて、その上でさらに良い教育を提供する方法を模索する中で弊社のアプリを検討してくださっています。

今年一年間、浮いたお金をどれだけ、どのように投資に回すことができたかをしっかりと振り返っています。

謙虚な姿勢で学ぶことはできたか?

学習塾運営をしていると、どうしても目先の対応で時間が過ぎていきます。生徒たちからの質問が急に変わることはないので、現状維持での対応もできてしまいます。

しかし、それでは徐々に質が下がっていくことは間違いありません。時代の変化に合わせて知識をアップデートしつつ、自分たちのやりたい教育を実現する方法を考え続ける必要があります。

「今うまく行っているから」という考え方をせず、謙虚な気持ちで学び続けることができているかは、特に時間をかけて振り返りを行なっています。

eラーニング系のツール等や、教育についての最新情報はお台場で開催されるNEW EDUCATION EXPOに毎年参加して入手しています。

教育関係の企業が集まってそれぞれのツールやコンテンツを発表する場なので、こういった場に足を運ぶことも継続的に行なっていきたいですね。

まとめ

塾長という立場は、教育者としての役割と経営者としての役割をうまくバランスを取らなければならないので非常に難しく、板挟みも多いかと思います。

現場の教室長や講師、そして生徒が日々前向きにそれぞれ頑張れるような環境を作ること、これが塾長の役割だと思います。

伊藤 哲志
伊藤 哲志
tyotto Inc. リードエンジニア / 1994 / 幼い頃からロボティクス・コンピューターサイエンスに触れたことでテクノロジーに深く興味を持つようになりました。AO入試で東京工業大学の情報工学科に入学してからは、学業と並行してIT企業でのインターンや教育工学研究室での研究を行い、教育×ITをテーマに活動を続けてきました。考えを文章で発信したり、組織づくりを行ったりすることも好きで、日常的に社内・社外に発信しています。