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指導報告は生徒からのリフレクションで見る

コミュニケーションのゴールは相手が行動してくれたかどうか

この言葉は組織づくりについての著書を複数出しているピョートル・フェリクス・グジバチ氏のものです。

コミュニケーションを取る目的は様々ですが、ビジネスシーンに限ってはその答えは明確で、「伝えることによって相手の行動を変える」ことです。

指示やアドバイスを相手に言っても、相手が実際にその指示やアドバイスに基づいて行動を変えなければ伝えた意味がありません。

勉強でも同じです。ある分野の内容の習得を目的として勉強を重ねても、問題を実際に解くことができなければ目的は未達成のままです。

取り組んで終わりではなく、達成基準を満たすまで働きかけ続けなければなりません。

指導報告は生徒が提出した振り返りを元に行う

自社で運営する大学受験専門個別指導塾Withdomでは、指導報告は生徒からのリフレクションを元に行います。

リフレクションは自立学習支援アプリtyotto meを通して提出できるようになっていて、生徒たちは指導の終わりにこれを提出します。

リフレクションの内容はアンケートのような形式になっていて、項目には以下のようなものがあります。

  • 今日の指導における目標やゴール、やるべきことは明確でしたか?
  • 今日の指導における目標は達成できましたか?やるべきことはやれましたか?
  • 指導で学んだことをできるだけ多く教えてください!

項目はtyotto meの管理画面から自由に変更することができるので、現場の講師さん主導で日々アップデートを重ねています。

指導の後に講師さんが教室長や講師リーダーに報告するときは、このリフレクションを一緒にみながら状況を話し合います。

まず第一段階は、指導で生徒に伝えようとした項目が生徒自身から出てくることです。

「伝える」という言葉は、「言う」という意味と「相手に理解させる」という意味の2つともあるのでわかりづらいですが、指導において求められるのは「相手に理解させる」方の伝える行為です。

講師さんが「〜〜するように伝えました」と報告してくれたとしても、それが「言う」という意味なのか「相手に理解させる」の意味なのかで大きく変わります。

言ったかどうかではなく生徒に理解してもらえたかをベースに指導報告を行うことで、本当に価値のある指導に向けて改善を重ねていくことができます。

講師が意図していなかった生徒の学びに気づくことができる

さらに、生徒にリフレクションに取り組んでもらうことのメリットとして、講師が意図していなかった生徒の学びに気づくことができるという点があります。

個別指導を通して生徒たちに与えられるのは、単に口で発した内容だけではありません。

  • 学習計画立てや勉強内容の質問対応を通して垣間見える思考力や説明力
  • 講師の何気ないコミュニケーションの中に含まれる一人の大人としての生き方・考え方

これ以外にも、生徒たちが意識的・無意識的に学んでいることは無限にあるでしょう。それらは教室長や講師が設計しきれるものではありません。

生徒にとってせっかく良い学びを与えられたのなら、フィードバックとしてそれを知りたいですよね。

勉強内容以外の項目が上がってくる講師さんも増えてきた

大学受験の勉強において成果を上げるためには、一対一の個別指導で学習内容を丁寧にさらっていく方法では到底間に合いません。

そもそも、効率よく学ぶ方法は講義として説明を聞くことでも、常に質問し続けることでもありません。

自分でしっかりと考えて取り組んで、その過程で出てきたわからないところを質問したり、そもそもの考え方をより良くできないか考えることが大切です。

そうなってくると、個別指導の時間の使い方もまた変わってきます。学習計画を立てたり、勉強内容の解説以外で生徒たちの内面の成長を促していかなければなりません。

  • なぜ大学に行きたいのか
  • 大学はどういう場所で、どんな日常があるのか
  • 勉強することでどういう意味があるのか

そういった正解のない問いを生徒と一緒に考えていくことも必要不可欠です。

昨日の晩、塾が閉まった後に指導報告を終えた講師さんと話す機会がありました。その中で、どのような指導を行なっているかをいくつか教えてもらいました。

  • 職業に関するドキュメンタリー動画を指導中にスマホで見せて、生徒が関心を持っている職業の実情についてイメージを持たせる
  • 大学の選び方について、教室長が作成した参考動画をスマホで見せる
  • 講師から生徒に押し付けるのではなく、あくまで生徒自身が決めることというスタンスで問いかける

スマートフォンやパソコンを気軽に持てる時代、それらを活用して指導に当たっていてとても素晴らしいです。

自分の人生経験的に知り得ない部分はインターネットで公開されている動画で伝えるという方法も非常にスマートです。

これらの指導の引き出しの多さは、単に「成績・偏差値を上げてください」という指示では難しいでしょう。

自分たちの塾がどのような教育を提供したいのかという抽象的なレイヤーの指示をそれぞれが解釈して、適切な方法を考えて指導に臨み、そのフィードバックを指導後のリフレクションを通して得る、これが最強です。

大学入学以降も役立つ力を

せっかく高校生という成長真っ只中の貴重な期間に自分たちの塾を選んでくれた生徒たちには、より一生ものの学びを提供してあげられたらと思います。

言われるがまま勉強していたら偏差値の高い大学に入れた、というような指導だと、指示を出してくれる人がいなくなったとたんに何もできなくなってしまいます。

目標を持ったり、自分の価値観を知ったり、計画を立てて行動して、そのリフレクションをしたりというスキルは何をするにも役立つと確信しています。

そういった大学入学以降も役立つ力を生徒たちに与えることができたら素晴らしいと思っています。

まとめ

時代の変化に合わせて絶えず教育も変わり続けなければいけません。指導のスタイルや、リフレクション項目も柔軟に変更して、改善を重ねていく必要があります。

機動力を持ちつつ、確かな根拠の上に指導を組み立てていける教育現場を作りたいと思います!

伊藤 哲志
伊藤 哲志
tyotto Inc. リードエンジニア / 1994 / 幼い頃からロボティクス・コンピューターサイエンスに触れたことでテクノロジーに深く興味を持つようになりました。AO入試で東京工業大学の情報工学科に入学してからは、学業と並行してIT企業でのインターンや教育工学研究室での研究を行い、教育×ITをテーマに活動を続けてきました。考えを文章で発信したり、組織づくりを行ったりすることも好きで、日常的に社内・社外に発信しています。