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これからの日本の教育業界はどうなる? 〜NewEducationExpo2019 参加レポート〜

突然ですが、厚生労働省は7日、平成30年の人口動態統計(概数)を発表したのはご存知でしょうか?
出生数は前年比で2万7668人減少。生まれた子供の数(出生数)は91万8397人と過去最少で、死亡数: 136万2482人と40万人以上は人口が減ったことになります。

今後の教育業界にも大きな影響が与えそうな現実ですね。

しかし、NewEducationExpo2019では、もっと近い未来について、大きく教育業界が変わるといった内容が多くありました。

こちらの記事では、数多のセッションから、いくつか参加した内の3つセッションを通して、これからの教育業界について感じたことを書いていきます。

参加セッション1:教育の情報化の最新動向 〜各省の施策から見える教育の情報化の展望〜

経済産業省 サービス政策課長・教育産業室長 
浅野大介 氏
Society5.0・働き方改革・一億総活躍の社会と「未来の教室」

大きく2点を強調して話していました。
1点目はSociety5.0の社会についてです。

Soceiety5.0の社会
人工知能・データの活用・開発競争が進む社会
デジタル・トランスフォーメーションされた社会
求められる「課題設定・デザインコミュニケーション」の力
その基準としての「言語・数理」の力
STEAM教育の重要性

Society5.0という言葉はご存知でしょうか?経済産業省では、現場にまだ浸透していないことを課題に感じておられました。

2点目は働き方改革・一億総活躍の社会について話していました。

「働き方改革・一億総活躍」の社会
時間の有効活用が基本になる社会
居場所が問われなくなる社会
多様性の包摂力が問われる社会

このような社会、つまり「ポスト働き方改革」の社会に子供は出ていくということです。

その中で教育として、重要視しなければいけない点を下記のようなことを話されておられました。

・自分に最適な教材・学び方で学ぶ
・自分で時間割を作り、修正を続ける
・集まる必要があるときに、集まるべき人を集める
・多様性の中で何かを創造し続ける
・ワクワクするテーマを突き詰める

つまり、今後の教育はこの2点になっていくだろうと話されていました。

  • 学びの「STEAM化・プロジェクト化」
  • 学びの「自立化・個別最適化」

ただし、最大の難問はSTEAM教育にあるということです。

来年度から始まるプログラミング教育は画期的な第一歩ですが、小、中、高とどう繋げていくか?誰が教えるのか?という問題があります。

また、総務省、文部科学省より、現状の課題として挙げられていたことは、
学校におけるICT環境の整備が整っておらず、特に地域格差が大きくあるということでした。

このICT環境の整備が出来なければ、今後のICT教育も成功しないであろうと、、、

総理施政方針演説でもあげておられましたが、Society5.0に向け、学校の情報化は今や政府全体の重要課題として、取り組んでいるということでした。

参加セッション2:学びの「成果」を見せてください 〜高・大・社接続を考える〜

ANA取締役常務執行役員:(人事・採用)ANA人材大学長
國分裕之 氏

(株)ソアーシステム代表取締役
大脇耕司 氏

元読売新聞、ジャーナリスト
松本美奈 氏

こちらでは、3人のパネルディスカッション形式で行われました。

今の大学入試では、偏差値でのほとんどを決める仕組みに対し、
企業で行う採用では、偏差値での学力はほぼ見ていないということでした。

今ある大学の現実として、ある医学部の教授はこう話されていたようです。

「学生の質的変化についていけない。そこの3割をどうレスキューするか
下の方をサルベージしないとやる気のない学生に対応する時間が膨大である。」

大学側からすると、勉学に励まない学生が増えている、しかし、人を求める企業が成績を重要視していないなら勉学に励むことはないとのこと。

ただし、社会で活躍する人材を育てるには、高校、大学の教育を変えることが必要であると考えています。

つまり、企業から見て、
学生には何を大学で学んでほしいのか?
社会に出てから活躍する人材を育てるにはどうしたら良いのか?
を考えることが重要ということでした。

結論、
「学生には実際の仕事の中身を見て、社会の矛盾点、おかしな点を見つけて、それに対して課題解決意識を持って、就職して欲しい。それが出来れば大学の存在意義があると思う。」

と一致した意見でした。

参加セッション3:起死回生の学校改革〜いかにして急回復したのか。改革のトップリーダーに聞くビジョンの効果〜

札幌新陽高等学校校長
荒井優 氏

共愛学園前橋国際大学 学長
大森 昭生 氏

最後にお二方が話していた内容として、知名度も偏差値も特別高くなく、むしろ経営難に苦しんでいたところからどのように回復させたかという内容でした。

共通して、教育関係者からよく聞かれる内容としては、
「どうやってやったのか?」
「どういう組織体制で回していますか?」
等と方法論ばかり聞かれることが多いとのことです。

お二人とも、方法論ではなく、ビジョンが大事であり、そのビジョンを叶えるための覚悟が足りないのであると言います。
失敗を繰り返して、その中から良い結果につながったものがあり、今があるというお話をされていました。

実際、良い結果につながった一例としては、新陽高校探究コース1年生が「第1回SDGsクリエイティブアワード」札幌市長賞受賞されたということでした。

これは、高校生にどんどんチャレンジさせた結果であるということでした。

その中で、一つのこだわりだったのが、動画編集のプロである大人も使うAdobe premiere proを利用して、動画作成に挑んだとか。
実際に動画を見ましたが、非常に良い作品となっていました。

このように、実社会の問題に対して、実際の大人がやっていることを子供に教育として体験させることが重要であるかもしれません。

その体験させるためには、我々、大人がビジョンを持ち、本気で学ぶ姿勢が子供にも良い影響を及ぼすということでした。

これらの3セッションを通して、感じたことは、これからの教育は必ず変わるということ。

そして、教育関係者、一人一人が子供達にどんな教育をしてあげたら良いのかを考え、いかに自分が生き生きと働いているかを側で見せてあげることが重要なのかもしれません。

山本剛史
山本剛史
大手IT企業でのSE、人材コンサルベンチャーでのキャリアコンサルタントを経てtyottoにジョイン。"情熱"と"遊び心"を持って、「本当にやりたいことを学べる教育を作る」ことを目指して開発・組織づくりに取り組む。