NewEducationExpo2019 Day1 参加レポート

NewEducationExpo2019 Day1 参加レポート

New Education Expoとは?

New Education Expoとは、毎年6月に国際展示場駅から徒歩5分の東京ファッションタウンビルで開催されている大規模な教育イベントです。

一日に20セッション弱の講演が行われ、同時に教育関係の企業が自社のサービスを紹介するブースの展示も行われます。

今年は6/6(木)・6/7(金)・6/8(土)の3日間の開催です。

参加セッション1:教育改善のPDCAを効果的に行うために〜教育機関向け調査分析サービスとCBTプラットフォーム〜

登壇者

  • 九州大学 副学長 JMOOC 副理事長 安浦 寛人 氏
  • デジタルハリウッド大学大学院 教授 佐藤 昌宏 氏

セッション内容

学力調査の背景と近況

  • 全国学力調査は平成19年度から開始されて今に至る
  • 過去10年間の学力調査の結果を見ると、県別標準化得点の上位3県と下位3県の平均は縮まってきている。小学校・中学校の教員向けのアンケートで「全国学力・学習状況調査の自校の結果を分析し、学校全体で成果や課題を共有しましたか?」という質問紙調査の結果でも、「よく行った」という回答が平成24年度から29年度で大きく増えている
    • データを基に学力を考えるという習慣が根付いたと言える
  • 今年度(2019年度)に小学6年生と中学3年生を対象とした全国学力・学習状況調査では、国語と算数・数学では基礎知識を問うA問題と応用力を見るB問題を一体的に問う方式に問題が改められた。英語では、4技能のうちの「話す」をマイク付きヘッドホンで回答を録音する形で実施した。

自分が生徒として小学校・中学校・高校に通っているときに何度か学習状況調査を受けました。当時は成績にも反映されない試験はただ苦痛でしたが、このように国単位で集計して学力の現状の把握に生かされていてかつ、今教育事業に携わる自分が今後を考えるための材料になっていると思うと取り組んでよかったと思います。

英語の科目では4技能として育てるべき能力が表現されていますが、「話す」の部分の評価は非常に課題がある部分だと思います。デジタル機器を使って録音したとしても、誰かがそれを聞いて、評価基準に基づいて採点する作業はまだ当分必要になるでしょう。

センター試験等でリスニングの機器を扱った経験もありますが、機器のトラブルというものはどうしても発生します。聞くのではなく話してそれを録音するとなると、今まで以上のトラブルの発生が予想されます。

学力調査の結果を基に教務を改善するには?

  • 学力調査の目的として、結果を基に教育指導の充実や学習状況の改善を行うことがある
  • 現場としては、以下のような悩みがある
    • 分析はどのように行えばいいのか?
    • 担当者・担当教科しか結果を見ない
    • 平均正答率しか気にしない
  • ワークショップ形式で結果を分析するのが良い
    • アクティブラーニングの手法(ジグソー法)を用いる
    • 小グループで討論し、その結果を統合する
    • このようなワークを行うことで、チームビルディングの効果も副産物として得られる

データが得られてもそれをどう活用するかが見出せなければ使いようがありません。データを基にどう考察をするかという部分はアイデアが必要な部分なので、グループでディスカッションしながら発散し、ジグソー法で統合してさらに知見を広げるのが確かに良さそうです。

この辺りは学習塾の教務にも非常に活かすことができそうです。

CBTの現状と課題

  • CBT(=Computer Based Testing)とは、コンピュータを活用した学力測定のこと
  • PISA等の試験でもCBTへの移行が進んでいる
  • 日本のコンピューターの教育現場への普及状況
    • 小学校
      • コンピューター:6.4人/台
      • コンピューター室:19,375室
      • 普通教室への無線Lan整備:89.3%
    • 中学校
      • コンピューター:5.5人/台
  • CBTの活用事例
    • 情報活用能力調査
    • 高等学校基礎学力テスト・学びの基礎診断
    • 全国学力・学習状況調査、英語予備調査
  • フランスはかなりCBTへの移行が進んでいる
  • CBTへの移行事例からの示唆として、全国学力調査をそのままCBTに移行することは難しいというものがある
  • 全国学力調査の同時受験数は100万人
  • 記述式の問題もコンピューターで回答を受け付ける必要がある
    • キーボードの入力が得意な生徒の記述式の正答率が有意に高いという課題が発生している
  • CBTのプラットフォームはオープンソースのTAOが利用されることが多い
  • モードエフェクト(=紙からPCに環境が変わることで調査できる能力が変わる可能性)の課題が残る
  • オンライン調査を行う場合は、ネットワークの帯域を十分に確保する必要がある
  • CBTの試行調査の実施状況
    • TAOを利用して試験運用
    • 学校のコンピューター室を利用してオンラインで実施
    • 3市の公立小学校256名
    • 科目は国語または算数(30分)および質問紙調査
    • 国語・算数共に横書きで実装
    • Webブラウザを通して利用する形
    • 上の方に資料があって一番下に問題がある形式
    • 記述と短文回答はキーボードを使って入力する
    • 算術記号は手元に変換表を準備
    • 6校での調査は問題なく完了した
  • 学校に整備されているコンピューター室は試験を受ける用途には設計されておらず、隣同士の間隔が近くて相談できてしまう
  • CBTプラットフォームTAOの概要
    • ルクセンブルグの会社
    • 大学の学生ベンチャーで始まった(!)
    • 大きな特徴
      • OSS
      • スケールする
      • 作問が簡単
    • QTIとLTIという規格(後述)を実装している
  • QTI(Question & Test Interoperability)
    • 問題と解答形式の規格
    • テストの問題を再利用できるように
  • LTI(Learning Tools Interoperability)
    • 学習ツール間の通信のためのインターフェース
  • QTI 3.0では、以下のような特徴も盛り込まれている
    • Web Componentsを使用したマークアップのサポート(!)
    • 画面の見え方を規定するCSSも含む
    • W3Cの仕様を取り入れたアクセシビリティの確保
  • TAOのインフラ
    • Apache
    • PHP
    • MySQL/MariaDB/PostgreSQL
    • 同時接続は5万クライアント程度
  • TAOのエディタ
    • GUI
    • 問題ごとに制限時間や試行回数を設定することができる
  • TAOの出題画面
    • ハイライト機能・ラインリーダー・拡大縮小がアクセシビリティとして実装されている
  • TAOには、ネットワークが動作に向いているかを診断するツールも内包されている
  • CBTでは項目反応理論(IRT)が取り入れられることが多い
    • 問題ごとにメタデータをつけることにより、他調査・経年による比較可能性を担保するテスト理論の考え方

学び・感想

試験にコンピューターを活用することで、解答までにどれくらい時間がかかったか、どのように試行錯誤したかを記録することもできるでしょう。

また、問題ごとに制限時間を設けたり、試行錯誤の回数を制限したりすることも問題なくできます。

しかし、システム的に実現できるかどうかとそれをどう活用するかは別問題です。試行回数が多い生徒は果たして能力が低いと言えるのだろうか?という問いを立てて答えを見つけていく必要があるかと思います。

TAOはオープンソースで開発されており、ソースコードはGitHubに上がっています。

https://github.com/oat-sa/tao-core

バックエンドはApache + PHP + RDBとなっています。学力テストは基本的に大人数を同時に行うことが想定されると思いますが、この構成でセットアップする場合はデータベースサーバーがボトルネックになることが考えられます。

大量のデータを不整合なく管理するためにデータベースをしっかり設計しつつ、同時に大量のアクセスをさばけるような分散設計が必要になり、構築には高度な技術が求められます。

全国の生徒から集めた膨大なデータをどのように格納するのか。データが増えたときのストレージの補強を継続的に行うにはどうするのか。この辺りは大規模Webアプリケーション開発に長けたIT人材の活躍が期待されます。

QTI/LTIという規格は非常に魅力的です。QTIはあらゆる試験の問題を抽象化してパターンに整理して、それを格納できるようなデータ構造の設計になるので、これに則って問題を作成すればQTIを実装した他のシステムでも表示・編集することが可能です。

「あるサービスが終了したからせっかく作った問題のデータがゴミになった」という悲劇を生まないようにするためにも、このような規格の整備は非常に重要かと思います。

他の言語で作られた問題にしても、この規格に則ったデータ形式で記述されていれば、ローカライズするだけで他の言語でも活用することができます。

良問を言語の壁を超えてシェアできるようになれば、より効率的な学力向上に繋がるかもしれません。

参加セッション2:AI時代の次世代教育を考える〜オープンオンライン教育の次なる一手〜

登壇者

  • 九州大学 副学長 JMOOC 副理事長 安浦 寛人 氏
  • デジタルハリウッド大学大学院 教授 佐藤 昌宏 氏

セッション内容

  • Society5.0の時代が到来し、様々な環境が変わる
    • 学ぶ内容が変わる
    • 教え方が変わる
    • 教育の環境が変わる
    • 学び続ける人生100年が到来する
  • 学ぶべき内容も変化する
    • 時代、世界の急速な変化
    • 社会の規範や制度も変化
    • 職業や生き方の多様化
  • 1950年くらいまで平均寿命は30〜40歳だった世界の平均寿命も、第二次世界大戦後に72歳まで急速に伸びている
  • 学校で習ったことが社会に出た後にはもう変化しているので、その知識だけでは対応しきれない時代となっている
  • そんな時代の中で民主主義を守るために必要なこと
    • 正しい世界の現状認識
      • フィルタされたメッセージではなく元データを見る
      • 無意識なフェイクニュースの拡散に注意
      • 現場に足を運ぶことの重要性
    • 溢れる情報の中から正しい情報を選ぶ能力
    • 合理的な将来予測と目指すべき方向性
  • 教え方と教育環境の変化
    • 教室における集団座学は19世紀後半からのスタイル
    • 人類は長い間、 個別指導を基本としていた
    • ICTが発達したことによって、個別指導が全員にできる可能性が生まれた
  • ICTを活用した新たな学習環境
    • 遠隔教育からe-Learningへ
    • 教育、学習データの収集と活用
    • 教育学、脳科学、情報科学の融合
    • 従来の研究は主観・経験が中心だったが、今後はデータに基づいた改善に
    • プロセスを全部データ化して評価できるように
  • e-Learning
    • ICTを用いた教材の多様化
    • 時間や空間の制約の緩和
    • 学習データの記録・保存と活用
    • 学習者の進度に合わせた指導
  • 九州大学のICT活用の現状
    • 全学規模で教育データを利活用できる環境の構築
    • 学習分析をベースにした教育改革を全学で実施
    • 2013年には既にBYOD(Bring Your Own Device)をスタート
    • e-Bookで学びの過程を記録
    • M2b(みつば)学習支援システムを活用
      • Moodle
      • Mahara
      • BookLooper
    • 教育ビッグデータを構築
    • 学び方と教え方の分析・教育改善
    • 1.13億のデータが既に集まっていて、それを分析・活用する段階
  • MOOCとは
    • 生まれた背景として、米国で大学の学費高騰。学生はローンを組んで賄ってきたが、雇用環境の悪化で卒業時に2000万円も借金を抱えて破産状態となる社会問題があった
    • 救世主として無料の大学講座で修了認定が受けられるMOOCが注目された
    • 量的拡大に合わせ、質的展開も図りつつ経済的にも持続可能かつ社会に有効な学習プラットフォームとして定着しつつある
  • 主要サービスの利用者数
    • coursera 3,700万人
    • edx 1,800万人
    • xuetangx 1,400万
    • Udacity 1,000万人
    • Futurelearn 870万人
  • JMOOCの現状
    • 認定口座数340講座
    • 登録者数役66万人
    • 延べ学習者数100万人
    • 2013年〜2014年 立ち上げ期
    • 2015年〜2016年 上昇期
    • 2017年〜2019年 停滞期
    • 若い社会人の学び直しや高校生や大学1,2年生の受講が少ない
    • JMOOCの受講者の社会的評価が低い
    • 大学がJMOOCに講座提供する動機が薄くなっている
    • ビジネスモデルとして成り立っていないという課題がある
  • JMOOCの今後の展望
    • 今後の社会は知的労働者が主役になる
    • 生涯にわたり学び続けることが重要
    • 様々な分野ででデジタルトランスフォーメーションが起きる
    • AI系のコースを充実させることで受講者を増やす狙い
  • ビジョンは新しい教育制度の構築
    • 個人の学習履歴の社会的管理と保証
    • いつでもどこでも良質な教育が受けられる環境の構築
    • 多様な評価による才能を伸ばせる社会への移行
  • 大学成績センターが大学卒業者の成績を一元管理する仕組み等も存在
    • 学生がエントリーした先の企業に成績を開示
    • 科目に応じた難易度も記録し、科目間の差をなくす工夫も盛り込んでいる
  • EdTechが進んだ先にあるもの
    • 学びの個別最適化
    • 学習者の特性、速度に合わせた学びの提供
    • 学習履歴が可視化できて検証できて再現性がある
    • 学習者中心の学び
  • 学習の個別最適化に必要なのは「スタディログ」
  • スタディログによる学びの個別最適化に向けた3つの必須条件
    • インフラ化
    • デジタル化
    • ルール化
      • 学習データは誰のものか?という課題がある
      • 「学習者データを学校を含む第三者が取り扱う場合は学習者からパーミッションを得て取り扱うこと」という考えが基本となる
  • スタディログ蓄積のメリット
    • リフレクションの獲得
      • 学習ログを蓄積し可視化することにより、分析可能な状態になり、学びにとって重要なリフレクション(自己投影、振り返りによる気づき、深い学びの獲得が可能
    • 最適な学習環境の獲得
      • 学校以外の学びの場においても、第三者にスタディログへのアクセス権の与えることにより、最適な学び、指導を得ることが可能になる(塾と学校の連携など)
    • 教育と指導方法の改善
      • 学習ログを蓄積・可視化することにより、分析可能な状態になり、優れた教員の育成になる
  • ICTによって受験がなくなる可能性もある
    • 常にデータを集めることで、試験による一発勝負(定点観測)から、継続的な評価(常時観測)に切り替えられる
  • データを集めていくのはあくまで自分の取り組みの「証明」であり、管理ではない
  • 「信用」が重要になってくる時代
  • とはいうものの、真面目に生きている人が良いのか?という疑問が新たに生まれる
  • そんな中で何が正しいかを考えるリベラルアーツ的能力が必要になり、STEM教育にArtのAが加えられてSTEAM教育が重視されるようになった
  • リープフロッグ現象
    • 後進国が一気に先進国を追い抜く現象
    • 中国の紙幣は清潔でないという課題があったが、その状況がQRコードによるデジタル決済へのスピーディな移行を促し、キャッシュレス分野において先進国を一気に抜き去った
    • 教育でもその現象が起きるかもしれない

学び・感想

学習塾を運営しつつITサービスを提供しているので、IT技術の最新の動向はキャッチできていると思っています。

クラウドコンピューティングが発達し、多くのユーザーが利用するサービスを少人数で高速に開発できるようになりました。

昔は専門の技術者が数人割り当てられて数日でこなしていた作業が、経験の浅いエンジニア一名でもできるような革命が日常的に起こっています。

「学校で習った知識が陳腐化するスピードが早くなっている」という一言に尽きると思います。

医療技術も発達して寿命も伸びていますから、その中で自分が社会に対して価値を発揮して生き生きと過ごすためには、やはり学び直しが必要です。

社会と大学を行ったり来たりしたり、オンライン講座で授業を受けたり。そのような学び方の改革も必須のものになってきたと言えるでしょう。

一つ実体験を元に例をあげると、僕は大学在学中は情報工学科に所属しており、そこで関係モデルに基づくリレーショナルデータベースを理論から学びました。

しかし、技術は進歩してビッグデータを効率よく扱えるNoSQLが台頭してきて、今では基本データベースはNoSQLを利用する形になっています。

理論がないまま実務に生かそうとすると非常に苦戦します。その場しのぎの設計を繰り返し、いつまでたっても「これでいいのだろうか?」と悩み時間が流れます。

きちっと理論から押さえて、地に足のついた設計をしてこそ実務で役立つと肌で感じています。

さて、MOOCのようなオンラインの講座を提供するサービスも身の回りに増えてきました。僕自身、Courseraを使って海外の脳科学の授業を受けたり、東京大学の教育のゲーミフィケーションの講義を受けたりしています。

授業を受けるのに費用は一切かかっていません。

インターネット回線とパソコンがあればすぐに見ることができます。

これからの時代、さらに技術が発達して学ぶことが増えれば、座学で学ぶ機会よりこのようなオンデマンドで学べるような機会が増えた方が効果的に学べるかと思います。

JMOOCが今後の方針としてAI系の講座を提供するとのことですが、機械学習系こそ数学の理論に基づいてしっかりアルゴリズムから学んでいく必要があるので、講座が増えてきたらぜひ受講したいところです。

※Day1でもう一つ基調講演を聴きました。後ほど追記します。

参加セッション3:これからの教育と大学の役割

登壇者

  • 立命館アジア太平洋大学 学長 学校法人立命館 副総長・理事 出口 治明 氏

セッション内容

  • 考える上で大切なこと
    • 数字・ファクト・ロジックのみで考える
    • 世界の状況を調べた上で考える
  • データから見る日本の経営はなってない
  • 若者が年寄りを支えるような動物は存在しない
  • 介護問題の解決方法は健康寿命を伸ばすこと
  • 健康寿命を伸ばすための政策としては、定年の廃止がある
  • 定年を廃止することで、以下のようなメリットがある
    • みんなが健康になる
    • 医療年金情勢はダブルで好転する(もらう方から払う方へ回る)
    • 年功の考えが消える(年功序列から成果序列へ)
    • 中高年の意欲が増す
  • 年功序列の考え方について
    • メジャーで活躍した選手でも、日本に戻れば経歴ではなくその時点での実力で入団・待遇が決まる
    • おじいさんおばあさんがハローワークにきて、「昔は大企業で働いていたから相応の仕事をくれ」と言ってきたらおかしい
  • 人生100年時代において、50代・60代はまだ半分であり、終わった感を出していてはいけない
  • 日本は労働力が足りていない
  • 新社会人は100万人
  • 年功序列を廃止する、という議論をすると決まって「いつまで老人に鞭打って働かせる気だ」という声が上がる
    • 秦の始皇帝が最後に望んだのは不老長寿であり、それも寝たきりの状態ではなく元気に最後まで遊んで仕事をした姿
  • 出生率が上がらない一番の原因は男女差別ではないか
    • 先進国のなかで差別が激しい国が日本である
  • 赤ちゃんを連れて会社に行くような働き方が増えている
    • 授乳のサイクルと、人間の脳の集中力のサイクルは合っている
  • 育児家事介護は女性がやるもので、男性はそれを手伝うものだ、という意識がそもそもまずい
  • 思い切って役職者に女性を割り当てることで解決するというのはヨーロッパが示してきた方法
  • 男女差別をなくさないと移民を受け入れても少子化は解消しない
  • もっと言えば男女差別を無くせないような国家が移民を受け入れてうまくやっていけるとは思えない
  • 平成30年間の総括
    • GDPの国際シェアは半減
    • 国際競争力は30番まで落ちた
    • 世界のトップ企業には日本企業が14社占めていたのが、今は0社
    • この30年間、経済は停滞
  • 経済停滞の理由を知るなら、どんな企業が日本企業を押しのけたかを見ればいい
    • GAFA・GAFA予備軍のユニコーン企業
    • イノベーションが起こらなかったことが衰退の最大の要因
  • 偏差値がそこそこ高くて素直で我慢強くて協調性があって上司の言うことをよく聞く人が製造業の生産ラインで活躍できた
  • でも、GAFAやユニコーンを起こしている人はどう言う人だろうか?
    • 尖った個性を持ち、好きなことは最後までやり遂げる、徹底的に物事にこだわる。多国籍で高学歴の集団
    • ダイバーシティに溢れて、好きなことをとことんやる
    • 変人・変態が世界中から集まってわいわいがやがややる中でGAFAやユニコーンが生まれる
  • 「偏差値がそこそこ高くて素直で我慢強くて協調性があって上司の言うことをよく聞く人」を5人集めてアイデアを出してみろと言っても難しい
  • これからは何よりも子供達の個性を重視し、好きなことを徹底的にやらせる
  • 日本は構造的に勉強しない仕組みになってる
    • 大学進学率52%
    • 東京の大学進学率は70%以上なので、東京にいても大学進学率の低さには実感が湧かない
    • 2人に1人は大学に行かない国
    • そして大学で勉強しない国
    • 100%企業が悪い。採用基準に成績を入れないから
    • 面接でチェックしてるのはじ頭、協調性があるか、我慢強さがあるか
    • 「エントリーシートに書くためにボランティア一つでもやってみるか」という学生しか生まれない
  • アメリカではハーバードでていても成績が真ん中以下だったら企業からは相手にはされない
    • 「地頭はいいのかもしれないけど、要領よくやっただけに違いない」と見なされてしまう
    • 逆に全部優をとった子供は引っ張りだこになる
    • 「自分の選んだ場所で優を取れる人は、自分が選んだ職場で活躍できるに違いない」というロジック
  • 日本の職場では「勉強した人は使えない」などと言って院卒を取らない
  • 勉強した人間はアイデアを出す蓋然性が高い
  • 企業勤めで遅くまで残業して、家に帰れば食事・風呂・睡眠の生活をしていてアイデアが出るわけがない
  • 国の働き方改革の方向性は正しい
  • 本を読んで、人と会って、面白い場所にいってをしないとアイデアは生まれない
  • 中学生の時点での日本の生徒の学力は世界では負けていない
  • 日本の15歳は一部のトップの国を除けばG7では最強
  • 一方大学はガタガタ
  • 小学校・中学校の教育は板書で丁寧に教えることができるが、高等教育は個性を伸ばす教育だから板書ではできない
  • 日本は国民の経済的な負担率が低い
    • 小負担・中給付で持つはずない
  • 教育費に投資できないのはプライマリーバランスが崩れているから
  • この国の課題は教育だけにあるのではなく、働き方や財政にまで繋がっている
  • プライマリーバランスを回復して教育にお金を投資しない限り、日本の教育は良くならない
  • 「偏差値がそこそこ高くて素直で我慢強くて協調性があって上司の言うことをよく聞く人」を育てることはやめなければいけない
  • 違って当たり前と言うことを大事にして、個性を大事にする教育をしなければ将来は暗い
  • 社会を回すためには偏差値は意味ないとは思っていない
  • 頑張って勉強して偏差値が上がったらそれはそれで素晴らしい
  • 全ての高校に偏差値コースと変態コースを設置すべき
    • 変態コースはAPUが引き受ける
    • 変態コースの中からしかジョブズは生まれてこない
  • 勉強する意欲、学びたいと思う気持ちは19歳がピークで、高校から大学あたりの時期が一番大事
    • そんな大事な時期に受験のための詰め込みをするのが勿体無い
  • 大学で勉強したらその知識を使ってずっと社会で働けるような時代ではなくなる
    • 働いたらまた大学へ戻って勉強し、また社会に戻る
    • 仕事と大学を往復できる社会を作っていかないといけない
    • リカレント教育
  • 入学随時・卒業随時が理想で、この形は1000年前に出来上がっている
  • 美味しい人生を送るために = 問いを立てる力・常識を疑う力
    • AI時代になればなるほどリベラルアーツが大事だと言われる理由
  • 知識を得るコストが格段に下がっているので、考える力がどんどん大切になってくる
    • お肉が買えなかった時代 → 肉が手に入ればどう料理してもうまかった
    • 今じゃスーパーでも手に入る → 料理人の腕が重要
  • これからの大学に必要なのは物事の本質を考える力・思考力を育むこと
  • 大学は競争力の先行市場であり、大学で学んだ人が社会を作る
  • イノベーションを起こすには個性を大事にする
  • イノベーション = 既存知の組み合わせ。既存知が遠ければ遠いほどイノベーションが起きやすい(多様性)
  • 個性・diversity・高学歴がこれからの大学の方向性
  • 知識が陳腐化する速度が早くなればなるほど、考える知識が必要になる
  • 大学と社会を行ったり来たりする構造を作ること
  • 仕事ができる人は以下の特徴を持つ
    • ライフワークバランスが取れている
    • 高校・大学の頃に学ぶことの楽しさを知った
  • 中高生の教育に関わる上でやるべきこと
    • 19歳くらいまでに学ぶことに面白さを見出させる
    • 学ぶことは楽しいと知った人は一生勉強する
    • 一生勉強する人はもれなく出世する
  • 総合職は全国に転勤させても良いという考え方はおかしい
    • 転勤する人が地域のクラブで子どもたちにスポーツを教えているかもしれない
    • パートナーが地域で働いているかもしれない
    • そういった状況を想像する力が足りていない
    • 当たり前のことを原点から考える力が必要
    • なぜ人が地方に行かないといえば仕事がないから
    • 地域に職場を作れば喜ばれて企業のブランドも上がる
  • 教育の質保証
    • 質を保証することは誰も望んでいない
    • 卒業生が社会で活躍すること
    • 入学時と卒業時の子どもの成長を親に聞いてみればいい
    • 卒業生と情報交換を不断にすることが大切
  • 質問「今まで面接で採用していたので、すぐには大学での成績を加味しての採用に切り替えられないだろう」
    • 目をつぶって2割くらいは大学での成績で採用を決めてみればいい
    • ニューヨークフィルでは、志願者が見えないようにして演奏させて入団を決めたところ、白人以外も増え、女性も増えた。実力も格段に上がった
  • 質問「思考力を上げるためには?」
    • 思考力がある人の考え方を追体験する
    • 古典を丁寧に読み込む

学び・感想

データに目を通し、他の国がどのような政策を打って結果がどうなったかを見た上で方向性を考えることの大切さを強く感じました。

学校で学んだ知識が陳腐化するスピードが早くなり、学び直しが必要になるという状況は日々感じています。

「もっと日々の授業の中で学べることはあったのではないか」という反省とともに、「もっとこういう授業を受けたい」という欲求も日常的に発生しています。

つい、「もう一度大学に行けるなら商学部に通いたいな」といった夢として語ってしまいがちですが、行きたいならいけば良いしみんなそうしているという状況が一般的になる日もそう遠くないと思えました。

知識を体系的に学び、思考力を鍛える場となった大学は、今後人気が高まってくるのではないかと思います。

『「偏差値がそこそこ高くて素直で我慢強くて協調性があって上司の言うことをよく聞く人」を集めてもイノベーションは起こせない』という話も印象的でした。

言われたことをそつなくこなす人は今の社会ではまだ優秀な部類に入るのかもしれませんが、的確に指示する人がいるからこそ輝ける人材です。

社会の変化が激しくなり、一人ひとりが主体的に考えて行動を決めないと取り残されてしまうようになっていく今、強い好奇心を持ち、学びに対して積極的な人を採用していくことが企業の成長に繋がるのではないでしょうか。

まとめ

大学学部4年生からずっと参加しているNew Education Expoですが、年々学べることが増えていると感じています。

自分自身が日々教育について考えたり、社会の中で一起業家として事業を展開したりしていく中で少しずつ成長できているのだと思います。

目の前に進めなければいけない仕事はたくさんありますが、自分たちが実現したいことを考えること、考えるための材料を集めることをおろそかにしては何も実現できないと思っています。

手段が目的化してしまわないよう、チーム全員でこのような学び・思考の機会を作っていけたらと思います。

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