イマドキの若手エンジニア/デザイナーの働き方と仕事の選び方に見る今後社会で必要とされる人物像

イマドキの若手エンジニア/デザイナーの働き方と仕事の選び方に見る今後社会で必要とされる人物像

こんにちは、株式会社tyotto エンジニアのイトウです。おとといの記事はFacebook上でつながりがある教育業界の先生方を中心にちょっとした反響があり、教育とテクノロジーをつなぐ役割の必要性を感じました。

今回は人材不足が指摘されるIT業界の若手の働き方をご紹介して、それをベースとして今後の時代に求められるであろう人物像について私の考えを書かせていただきたいと思います。

IT業界の人材不足が深刻な時代へ!

IT業界の人材不足」というキーワードを目にする機会が日常的にあるので、具体的なデータを知りたいと思って経済産業省が行った「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」の結果を見ました。

IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました – 経済産業省

マクロな規模でのIT人材(IT企業及びユーザ企業情報システム部門に所属する人材)は、現在の人材数は約90万人、不足数は約17万人と推計された。今後2019年をピークに人材供給は減少傾向となり、より一層不足数が拡大する。

IT人材の不足数が約17万人と推計されたとのことです。

いよいよ来月に控えたセンター試験の受験志願者数が平成30年のデータで58万人程度なので、約17万人とはその3割くらいのイメージです。

でも、若手エンジニア/デザイナーの社会進出は身近に感じていた

私が工学部 情報工学科に在籍していたことはあるかもしれませんが、在学中からインターンシップとして社会に出てバリバリ活躍している人は珍しくありませんでした。

エンジニアインターンとして働く中で、その仕事の魅力にどっぷりハマってしまって、皆が大学院に進学する中学部卒でインターン先に就職したという話も聞いています。

私自身も在学中にITで起業して今このような生活を送っている、若手エンジニアの社会進出の一例ですね。

IT人材の不足が叫ばれるのに、一部ではどんどんIT人材として巣立っていっている。このギャップはなんなのでしょうか?

若手IT人材の生き方の一例を、実際に彼らと会って話したり、採用面接を行ったりした経験も踏まえてご紹介します。

「ハッカーは13歳ごろからコードを書いている。そんなの当たり前だ。むしろ遅いくらいだ」

シリコンバレーの起業家養成機関「Yコンビネーター」の創業者ポールグレアムの言葉です。

「ハッカー」というのは映画やドラマでおなじみの、システムに侵入して不正にロックを解除して、、、というハッカーではなく、技術に長けていてそれを生産的に生かそうという考えを持っている人という意味です。

エンジニア・デザイナーとして活躍する人は、やはり幼少期から何かしらの兆候を見せています。

自分でロボットを組み立ててプログラミングをしたり、イラストを書いてSNSにアップしたり。

彼らは仕事のためにスキルをつけているという考えではなく、単に興味本位で自分のやりたいことをひたすら探求しているだけなのです。

やりたいことをひたすら探求していたらいつしか、「その若さでそんなに難しいことやってるの!?」と言われる。

やってきたこととやりたいことを普通に喋ったら、AO入試で大学に採ってもらえる。

在学中から社会へ。

エンジニア・デザイナーは在学中から既に社会に出始める事は珍しくありません。インターンシップとして、有給でちゃんと働きます。学生だろうがなんだろうが、企業のプロダクトに価値を提供できる人には時給2,000円以上がつくこともあります。

早い人は入学当初からもうそういったインターンシップを始めていて、普通科の高校を卒業した私からすると焦りすら感じる状況でした。

私自身がエンジニアインターンとして社会へ出たのは少々出遅れた大学1年次の夏でした。

実際にエンジニアとして働いてみると、

  • 情報工学科で習う内容を扱える
  • アルバイトとしてお金がもらえる
  • 趣味でもあるので楽しい

これらが一致した最高の状態だとわかりました。

以降、私は1社目で1年間、2社目で2年半インターンをして大学を卒業することになります。

アルバイト、学業、趣味がそれぞれバラバラの分野で活動している人に比べて、それらが共通しているこのような生き方は単純に考えて3倍のスピードで進みます。

常に自分の軸としているものが深まる、そんな理想的な状態で手に技術をつけていくことができるのです。

成長しないわけがない。笑

卒業後、既に慣れ親しんだ社会へ。インターンの職場でそのまま社員になることも。

先述のような大学生活を送った若きIT人材たちは、既に社会というものにある程度慣れています。就職だからといって身構えることも、焦りを感じることも、ライフスタイルを大きく変えることもないでしょう。

ちょっと活動する環境が変わるだけ。そんな感じだと思います。

さて、在学中にインターン生として働いていた会社にそのまま入社するというケースも結構あります。

インターンとして働いてきたので、求職者側としては、

  • どんな事業を行なっている会社なのか?
  • どんな人が働いているのか?
  • どんな業務内容なのか?
  • どんな雇用形態なのか?
  • どんな働き方をするのか?
  • 自分がどれくらい貢献できるのか?
  • 自分はどんなスキルを今後学べそうなのか?

これらの問いに対する答えが肌感覚として把握できています。

そして、企業側としても、求職者について

  • どんな人なのか?
  • どんなスキルを持っているのか?
  • どれくらいのスピードで学ぶことができるのか?
  • どれくらい事業に興味を持ってくれているのか?
  • どんなキャリアを歩みたいと考えているのか?
  • どんな研修が必要になるのか?
  • どれくらいの給与が妥当か?

といった問いに対する答えを把握できています。

つまり、求職者と企業のミスマッチが非常に少ない、理想的な就職・採用になる可能性が高いです。

スーツを着て説明会を回ったり、OBを訪問したり、なんども面接会場に足を運んだりすることなく就職活動を終えることもできるでしょう。

その時間すら、自分のやりたいことに全力で取り組んでいられるのです。

“ハッカー”たちにとってこれ以上魅力的なことはないでしょう。

採用された。働き始めた。でも、一人の技術者として活動できる。

Web系のIT企業に就職すると、そこには今までの就職・転職・採用の考え方と大きく違う世界が広がっています。

まず、副業・複業可は基本です。

出社前、終業後に他に自由に仕事をして全く問題ないですし、それを企業側が奨励していたりもします。

技術の入れ替わりが激しく、常に学び続けるような技術者が必要となることもあって、自ら学んでいける人にはどんどん支援がなされます。

社員が他社で仕事をしていても、それらが自社で生きてくることが結構あるため、複業も非常に有効なスキルアップの場であると考えられているのです。

会社で作った制作物をポートフォリオとしてまとめて自分のブログに掲載したり、SNSで発信したりすることも許可されている企業もあります。

企業としては、「中にはこんな魅力的な人が働いていますよ」という採用面での宣伝になるので、積極的に活用を促していくことがメリットになっています。

「得意な技術を生かして働ける現場がたくさんある」ということは、裏を返せば「じゃあどこで働くか?」という問いの答えを探してくということです。

技術者は一人の人間として、より良い環境を追い求めます。

企業はそれらの技術者一人ひとりとしっかりと向き合い、自社がいかに彼らにふさわしいかをしっかりアピールしていかなければならないのです。

人材採用はオンデマンド型へ。

「オンデマンド(on demand)」という言葉を聞いたことがある方は多いかと思います。意味はそのままで、「必要に応じて」です。

「終身雇用」という言葉があったように、従来の働き方ではある企業に就職したらそこで生涯勤め上げるということが主流でした。

しかし、今回取り上げている若手IT人材たちはもっともっと、短期間で働くことも一般的です。

どれくらい短期かというと、それこそ週1回、5時間を1ヶ月間だけお願いします、みたいな契約もあったりするレベルです。

社会の変化が凄まじく、持っている技術がすぐに役に立たなくなってしまうことが珍しくなくなった今、一人の人材を雇い続けるよりも必要なときに必要な人材を雇うという、「オンデマンド型の採用」が注目され始めました。

現に弊社・株式会社tyottoでも、デザイナーの採用をこのオンデマンド型で行い、この12月に一人の強力な若手デザイナーにお仕事をお願いすることができました。

かなりのスキルを要求して採用を行ったのにも関わらず、弊社代表新井、そして私伊藤と同じ1993/1994世代の仲間が増えたこともあって、より一層雇用形態の変化を感じています。

採用面接はカフェでカジュアルに。履歴書はいらない。あなたがどんな人か聞かせてほしい。

さて、ここから具体的に私たちが行ったデザイナーの方の採用を題材にして、今新しい職業の選び方、人材の選び方をご紹介したいと思います。

私たちが開発している自立学習支援アプリ「tyotto me」をより使いやすく、生徒や教育者の方々のためになるものにするために、UI/UX改善の知見があるデザイナーの採用を検討し始めました。

UI/UXとは、「ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス」のことで、要は利用者に使ってもらう製品そのものと、製品を通した利用者の体験を設計することです。

みなさんが今この記事をご覧になっているWebブラウザは、そのUI/UXがあなたにとって優れているから他のブラウザではなくそれを使っている、と言えます。

求人媒体に登録して募集を開始したものの、なかなかこない。そもそもスキルを持っている人はなかなか求人媒体には現れません。なぜならスキルがあるひとの周りには機会があれば(良い意味で)そのスキルを利用したい人がいるからです。

身近にパソコンが得意な人がいたらまず相談しますよね。その感覚です。

ですので、私たちも採用はそういったつながりベースでできたらミスマッチが極力減らせて良いね、という方向性でスタートしました。

結果今回採用できた方は、代表・新井が教育系イベントで知り合った若手デザイナーです。

自身も現在デザイン企業で働きつつ、複業として様々な企業の面白い案件を進めているという方でした。

面接会場は目黒のカフェ。20代の若者が私服でカフェに集まって「面接」だなんておかしいですね。お茶会です。

もちろん履歴書なんて求めません。形式的な質問も、空気を読んだ回答も不要です。

その代わり、自身の人となりがわかるまで対話を重ねます。

  • どういう経緯で今回来ることになったの?
  • あなたにとってデザインとはどんなもの?
  • 今までどんなもの作ってきたの?
  • 私たちはこういうことやりたいんだけど、あなたが力をかせそうなところはある?
  • どれくらいの時間、どれくらいの報酬で働きたい?
  • 私たちに聞いておきたいことはある?

ざっくばらんにこういったトピックを話します。

時間にして1時間程度、コーヒーを飲みながら談笑します。

結果はもうぜひ一緒に働きたいとこちらからお願いするくらいだったわけですが、告げる間も無く誰もが実感していたことでしょう。

「採用」「面接」ではなく、人と組織のマッチング

「採用」や「面接」というと、企業側が求職者を選ぶというような高圧的な印象を受けますが私たちがいる業界はそうではなくなっています。

企業が進めている事業に、求職者が参加したいと思うか。

求職者の持っている志やスキルが、企業にとって価値があるか。

これらをすり合わせる「マッチング」です。

そのマッチングの場に嘘偽りがあると、その場で円満に終わったとしてもいずれ必ずボロが出ます。

  • 面接で言っていた働き方と違う。つまらないし辞めよう。
  • 面接で言っていたスキルと違う。使えないから切ろう。

こういったミスマッチは、高い志を持った企業と、高い志を持った求職者の間では無駄でしかありません。

これから求められるのは「自分軸を持った、一緒に働きたいと思える人」

IT人材が育ち、社会に出るまでや出てからを見るとだいぶ特殊なことがわかるかと思います。

様々な企業で即戦力として働ける優秀な人が増えたことで、企業としてもそれらに人材をどう自分のところに興味を持ってもらうかを考える必要が出てきました。

そして、人が集まる企業は、たくさん集まってくる優秀な人材からより自分たちにマッチする人材を選ばなくてはなりません。

テクノロジーがどんどん進化して、一人ひとりに柔軟性を持って変化に対応することが求められる今、求められるのは「自分軸を持った一緒に働きたいと思える人」です。

自分がやりたいと思ったことを、筋の通った方法で力強く探求していく。

そんな優秀な人材なら、入社の段階でスキルがなくともあっという間に必要なスキルを身につけて活躍できることでしょう。

5年後、一緒に働きたいと思える人材を育てたい

私たちが教育事業に携わっていて思うことは、単に目先の結果(=志望校合格)だけを見ていてはいけないということです。

全てを指示して成績を上げて第一志望に合格させたとしても、生徒本人が誰かの指示がなければ動けない人になってしまっては今後の社会で自分らしく生きることはできないと考えています。

どういう力を育みたいか、を考える一つのわかりやすい指標として、「5年後、一緒に働きたいと思える人を育てられているか」を掲げています。

本稿で述べたとおり、大学在学中からどんどん社会に出ていく若者がいることから、一緒に働けるのは5年先でもないかもしれません。

実際、自社で運営する学習塾の生徒から、合格して大学生になった後すぐに講師として一緒に働き始めた生徒もいます。

教育の目的を探求していくと、結局は「幸せの定義」に行き着きます。そこには一つの明確な正解はありません。

そんな不確かな教育という業界で日々若者と向き合う私たちは、自分たちがどうしていきたいかを常に考えて、言葉にして、サービスに落とし込んでいく必要があるのではないでしょうか。

あとがき

自分の考えをアウトプットしていくことって非常に学びになります。Facebookでコメントでフィードバックをいただけると励みになります。

つながりのある教育業界の先生方をTwitterやFacebookでフォローしていて、その方々のSNSやブログでの発信を見ると学ぶことばかりです。

何が正しいかわからない今の時代だからこそ、自分たちなりの答えを見つけていくために思いを発信していく人が増えていくと良いと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。明後日もまた記事を書くのでお楽しみに!

クラウド技術に全力でハマっているハッカー、イトウがお送りしました。

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