38年間続く英泉塾の代表 安田卓史さんが「命をかけて生徒に伝え続けていること」とは #4

38年間続く英泉塾の代表 安田卓史さんが「命をかけて生徒に伝え続けていること」とは #4

埼玉の中浦和に、子どもたちにあることを伝え、成績をとても伸ばす塾がある。英泉塾は普通の塾とは一味違うようだ。

「普通の塾と同じことをしていても生き残れない」

と代表の安田さんは語る。

38年間も塾を続ける秘訣はきっとこの言葉にあるのだろう。

今回はそんな安田さんに38年間も塾を続けることができる、その理由を語ってもらった。

塾運営のきっかけ

(置くとパス(合格)できるオクトパスのぬいぐるみだそうです。笑)

右:英泉塾 代表 安田さん 左:弊社代表 新井

ーーー塾運営をされるきっかけはなんですか?

きっかけは、家業がこの塾の運営だったということですね。

子供の頃は死んでも継ぐか!って思っていましたけど(笑)

ーーー子供の頃は継ぎたくなかったんですね。

そうですね。子供の頃は「死んでも仕事を継ぐなんて嫌だ」「家の仕事をやりたくない」と思っていました(笑)

ただ大学生になり、アルバイトとして手伝いで塾講師をやっていたのですが、その経験が私の考えを変えました。

自分が若くとても未熟なため、仕事を通じて自分の成長を実感することができ、やりがいを感じました。また、大げさかもしれないですが14,15歳の子が経験することは、人生を大きく左右するという責任感も感じました。

その結果、これなら「自分の命(人生)を懸けてもいい仕事」だと思い継ぐことを決意しました。

塾運営で勉強+αは欠かせない

ーーーもうすぐ40年目を迎えるのですが、塾をこれだけ続けられる秘訣はあるのですか?

そうですね。今全国に塾が5万軒もあるため、他の塾と同じようなことをしていては生き残れないと思っています。

塾なので成績を上げる、志望校に通すというのは、生徒や保護者さんとの最低限の約束です。生徒や保護者は成績を上げてください、志望校に合格させてくださいと言ってきている訳だから、それはできるようにしなければならないんですよ。

ただ私たちは、それにプラスして成績を上げて“で何なの?”、大学に合格して“でどうするの?”というのを生徒が考えるように、そして生徒に「なぜ勉強しているのか」をちゃんと伝えられるように日々コミュニケーションを取っています。

ーーーいいですね。ただやるのではなく、勉強している意味まで考えているんですね。

そうですね。ただ勉強させる塾、ただ成績を上げる塾はいくらでもあるので、そこを大切にしていますね。

塾はあくまで教育事業なので、教育をしなければならないんですよ。
教育の一観点の中で、成績を上げて、良い学校に行くということにネガティブな思いはないのですが、生徒は成績を上げるために生まれてきた訳でも、良い学校に行くために生まれてきた訳でもないんですよ。

大事なのは本人が自らの意思で決定し行動することだと思います。

ーーー確かに(納得)、やらされてもあまり意味がありませんしね。

塾は成績を上げるのは当たり前と言いましたが、本当に成績を上げているのは生徒本人であり、私たちではないんです。生徒が勉強してくれているから学力が伸びる訳なので、実際のところ私たちは「成績を上げる」ということはできないんです。
結局私たちにできることは、勉強するきっかけを作ることなんです。

だからこそ、勉強する意味、理由があるのかを見つけられるようサポートしますし、もし本当に何も見つからないのであれば、勉強をしないという選択をすることもありだと私は思います。

ーーー勉強をしないこともありなんですか?

そうですね。ただ、そこを変える・見つけられるようなきっかけを与えるのがうちの塾なので、そういう子にも対応できるような取り組みをたくさんしています!

独自の取り組みから生まれる生徒の主体性

ーーーところで英泉塾ならではの取り組みはあるんですか?

塾では珍しいと思うのですが、ホームルームを取り入れています。

「コーチングホームルーム」と言うのですが、そこでは生徒が勉強するにあたって、自身で目標を立てます。そこでは、先生の意見や親の意見・命令は関係なく、生徒が純粋に取りたいと思った点数や手に入れたい成果を考えてもらいます。あとはそれを最短で実行するための行動を自分で考えさせます。

あくまでも全て生徒が考えます。実際にその行動をやるのか、やらないのかの判断も生徒に任せています。

ーーーやるのか、やらないのかも生徒が決めるんですね。

はい。そこの決定権は、生徒に任せています。

さらに、生徒自身で実際に行動した結果から、現実と理想の開きを分析して、次はどうするのかまで考えてもらっています。

ーーーどんな風に生徒は変わりますか?

「お母さんに怒られるから勉強する」といったことを考えるのではなく、「自分はどうしたいのか」「何点を取りたいと思っているのか」「そのためには何をするのか」というのを考え実行するようになります。

さらに結果を出した時に、周りから承認されることによって生徒の自己肯定感や自己効力感が身につくようになります。

結果、生徒に自信も付きますし、行動力が非常に高まります。

ーーーなるほど。中学生の頃からそんなことをしているのですね。

そうですね、その究極が夏合宿です。

合宿の際には私たちから勉強しろとは一切言いません。

生徒達には自分の行動を自分で選択するように言うのですが、その結果、生徒は1日10時間も朝から晩まで勉強をしています。

質問されたら教えたりはしますが、基本は教えることなく生徒が自分の足りないものを自覚してしっかりと勉強しています。

叱責や鼓舞することは一切なく、ただただ見守って、「君が選択したことは間違っていないんだよ」ということを伝えています。

生徒が本気でやりたいと思うことを承認し、サポートすることで、本気で勉強するようになりますし、結果として生徒の成績がとても上がります。

(夏合宿の写真、楽しそうな写真や真面目に勉強している写真がたくさんありました)

信念を持った上で結果を出し続けること

ーーー塾運営で大事なことはなんですか?

結果を出し続けることですかね。

もちろん成績を上げることを目的で指導しているのではなく、生徒の本質的な国語力を伸ばしてあげたり、生徒の人間力を育んだ結果、成績が上がる訳なんですけど、塾という仕事なので、いくら人間力を育みますと広告してもお客さんは来ないんですよ。

どんなに優しくて人間的にいい人でも成功率10%のお医者さんに手術頼みますか?(笑)
頼みませんよね。そういうことなんです。

弊社は理念と同じぐらい結果も大事にしています。

ーーーなるほど。確かにそうですね、実績なしで信用を勝ち取るのは難しいですよね…

とは言っても、最終的に人間を育てるのが教育だと考えています。

成績を上げるのは「教育」ではないのですが、成績を上げるのが塾の役目です。

そのため、うちは「人間力を育てることを絶対的な信念として持ち続け、その結果、成績がとても上がる塾」として教育をしながら塾の責任を果たしています。

自慢になってしまうんですけど、うちの塾の生徒が出した結果はすごいんですよ(笑)

ぜひ外観を見てください!笑

(外観に貼ってある生徒のテスト結果)

やばい…めっちゃすごい。

今後はどんな塾にしていきたいですか?

「子供が心の底から楽しめて、前向きに力強く生きていける教育を実践すること」ですね。

そして、その場所を多くしていきたいと思っています。

実は、うちでもキャリア教育をやっているんですが、今は高校生のみで行なっています。

ですが、今後は高校生だけでなく、中学生や小学生、そして親をも巻き込み、さらには海外での活動も視野に入れています。

今後は、もう一つのマイベスト(コーチングホームルームやキャリア教育に力を入れている塾)をフランチャイズで全国に広めようと思っています。

編集後記

安田さんのインタビューはいかがでしたでしょうか。

塾の在り方や生徒との接し方を改めて考えさせられるようなお話でした。

成績や偏差値を上げることだけが教育ではないとわかっていても、やはりそれが塾の役割である以上、ついそこだけを見てしまいがちになりますよね。

ただ塾を続けていくためにも、常に何が重要なのか、何が本質なのかを見抜き塾を運営していくことも大事になるのではないでしょうか。

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