「問い」が現場の講師を成長させる

「問い」が現場の講師を成長させる

「講師が思うように成長しない」と思っていませんか?

塾・予備校を運営している教室長の方で、このような悩みを持っていらっしゃる方は少なくないのではないでしょうか。

「アルバイト講師だし、仕方ない」

「大学生だし、仕方ない」

そんな風に諦めていたりしませんか?

諦めていなくても、頑張って伝えているのに現場がそれに応えてくれないと思っていませんか?

今回は、そんなリーダー(教室長)とメンバー(講師)のズレを解消するための方法の一つをご紹介します。

プロフィール:株式会社tyotto 代表取締役社長 新井光樹(24)

2016年秋に自社ブランドの個別指導塾Withdom(ウィズダム)を立ち上げ、塾・予備校の激戦区武蔵小杉にて開校から一年で生徒数70名超の教室に成長させた。

Withdomでは自身は塾長という立場で運営に関わっており、実際に教室を取り仕切るのは教室長に完全に任せている。

現在は中高生に対して予測不可能な今後の社会で自分らしく生きていくために必要な力を育む独自のキャリア教育プログラム「ProgressTime(プログレスタイム)」および、学びのきっかけを与え、成果を蓄積していくための独自のeポートフォリオアプリ「tyotto me(チョット ミー)」を全国に広めるため、塾関係者への講演等にも力を入れている。

現場とリーダーの見ている世界は全く違う

実際に現場で手を動かす人と、その人をマネジメントする立場にいる人では、多くの場合見ている世界が全く違います。

これは教育業界に限った話ではなく、階層構造がある組織に共通する話だと思っています。

塾・予備校に関して話を進めると、まず、教室長がリーダーの位置に当たります。

リーダーのすべきことは、チームメンバーの特性を把握し、自分たちが成し遂げたいこと(=ゴール)を設定し、メンバーがそれに向かって活動できる場を作ることです。

教室長は、自社ブランドの塾の理想とする教育を届けるために、人を動かしていく必要があります。

また、塾・予備校はビジネスである以上、経営という観点でも管理を行っていく必要があります。

まとめると、自分たちの理想とする教育を展開しつつ、それを持続可能なものとしていくために必要な資金を得るための目標の設定と、その目標を達成するための人事が仕事となります。

一方、現場の講師はどうでしょうか。

ここでは、専任の講師ではなく、学生アルバイトという形で大学生・大学院生を講師として採用している場合でお伝えします。

学生でも、教育業界を選び、実際に下の世代に知識を伝えていく職業を選ぶ人は何かしら想いを持っています。

お金を稼ぎたい人は、塾業界にはなかなか来ません。

  • 友達や後輩に勉強やスポーツを教える機会があり、頼りにされることが生きがいとなっている子
  • 自分が勉強で苦労した分、下の世代で困っている子に手を差し伸べてあげたいという子

様々な学生がこのような想いを持って教育業界に挑戦してきてくれます。

想いがあり、勉強に向き合った経験も十二分にある学生講師ですが、もちろん社会に出たことがない子が大半なので、組織のあり方や、塾としての方針についての理解はなくて当然です。

このような状況で、現場の講師に対して、「もっとこうしてほしい」ということを伝えても、思うように行動してくれないのはある意味当たり前のことです。

もちろん、誰が悪いわけでもありません。

講師を育て、生徒を育てる

現場が思うように行かないのは、現場のせいではありません。

強いていうならリーダーのせいです。

想いを持って集まってくれた講師たちと一緒になって理想の教育を作っていくためのフィールドを作るのがリーダー、つまり教室長の役目です。

教室長が直接教室を良くしようと具体的な指示を講師に飛ばしても、本質的に教室が良くなることはありません。

現場の講師としっかり向き合って成長を支援することで、講師が成長し、生徒も成長していくのです。

では、どうしたら講師の成長を支援することができるのでしょうか。

その答えは、「問い」を与えることです。

相手に伝えたいことがある場合、それを直接言うのではなく、それに気づくのに必要な情報を伝える必要があります。

「この参考書の進め方では理解が進まないから、もっとわかりやすく教えてくれ」

では、精一杯わかりやすく伝えようという気持ちで指導に当たっていた講師さんは、自分の存在意義を全否定された気分になるでしょう。

もし、講師が生徒に伝えている勉強の進め方が好ましくないと感じた場合は、例えば以下のような問いを与えることができます。

「今の参考書の進め方はどんな感じですか?」

「生徒さんの反応はどんな感じですか?」

「定期テストの点数は上がっていますか?」

当たり前ですが、判断軸が曖昧なまま講師の指導を否定するのは論外です。

判断軸を明確に持った上で、それを満たしていない状況があればそれを講師に問いかけ、一緒に考えてもらいます。

講師としても、純粋にどのように指導の成果を評価したら良いのか、そもそも評価が必要なのかを理解していない可能性があります。

教育を評価することは、指導の質を高め、生徒の成長を支援するためになくてはならないものだということもしっかりと講師に伝えていく必要があります。

経費削減のために学生講師を入れているなら、彼らは経費を増大させます

教育者として大切なのは、完璧に正しいことを伝えることでも、極めてわかりやすい指導をすることでもないと思っています。

大切なのは、自分自身もまだ学びが必要だと理解していて、これからの時代で自分らしく生きていく当事者意識です。

私たちですら、もう既に当事者から外れつつあるのかもしれません。

生徒に寄り添って、同じ当事者として一緒に学んでいける教育者として適任の講師として学生を招き入れるのが今の時代に合っているのではないでしょうか。

若者は若者同士で学び合い、年長者はそれを支援する、そんな形がベストだと思っています。

それを、経費削減のために学生アルバイトを使う、という発想でやるとどうなるのでしょうか。

講師の育成を軽視し、学生の能力を信頼しないと前述のような現場と教室長の乖離が生まれてしまいます。

結果、成果も上がらず、教室長の仕事ばかりが増え、事業としても回らなくなります。

結局、まず他者へ価値を提供するGive&Giveの精神こそが、チームのメンバーを成長させ、望む成果を呼び込むのではないでしょうか。

教室長と講師と生徒をつなぐeポートフォリオアプリを作っています

講師に対して適切な「問い」を立て、さらに講師が生徒に対して適切な「問い」を立てるというサイクルは、正確な情報がなくては実現できません。

生徒の学びを可視化し、数値に基づいたデータから気づきを得て、それを「問い」に変えるという教育を、自社ブランドの個別指導塾ウィズダムでは日常的に行なっています。

塾に来ていない間にどのような勉強をしているのか、塾で具体的にどのように過ごしているのかを明確にして、塾として本当に価値のある学びを与えることを目指しています。

学習管理アプリ「tyotto me」のご紹介はこちら

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